Loading...

イギリスのEU離脱派勝利についてロンドン在住の私が考えてみました2

イギリスEU離脱国民投票で離脱派が勝利してから約1か月たちました。前回のブログを書いてから忙しくてずいぶん間が開いてしまいましたが、今回もEU離脱について書こうと思います。EU離脱が決まり次の日まもちろん「再投票嘆願」やら、「離脱に投票して後悔」やら、しばらくの間はなんだか色々賑わっていて日本のTVでも連日ニュースになっていたと思いますが、実際ロンドンで生活している中ではそこまで混乱もなく、みんな日々の生活を淡々と送っています。もちろん金融系の人たち、小売業の人たちなどEU加盟による恩恵を受けていた人たちはせっせと次の準備をしているのだろうけども、一般人には今のところ大きな影響はないように思います。ただ、EU離脱は撤回せずにこのまま離脱の動きを粛々と進めている政府の対応を受けて、ロンドンの住宅市場の価格は下落するという予想をし始め、住宅の売り買いが鈍化しているのは確かだと思います。(友人のうち2組が購入の契約を延期していると言ってました)新しい首相も決まりましたし、これからEU離脱のプロセスを辿っていくのでしょうが、緩やかに色々なことが変化していくのではないかと予想しています。

そんなこんなで、ちょっと旬でなくなりましたが、前回に引き続きEU離脱派が勝利したことへの分析の続きを。


EU離脱による経済的デメリットとは何なのか?
EUが離脱を決めると世界の市場が反応し、まずはポンドの価値がぐっと下がります。またEU圏内での移動や経済の自由が制限される、関税の復活などから、結果としてイギリスの世界における競争力の低下、景気後退、GDP減少が問題とされています。

現にEU離脱が決定した金曜の早朝にポンドは1985年以来の下がりを見せました。ですが今起きているポンドの下落はイギリスがEUを離脱することを問題視しているのではなく、イギリス国内における政治的混乱だったり、スコットランド独立の動きのような付随する動きによる、イギリス国内が不安定になることに対して市場が反応したという見方もあります。

私は経済的なことには詳しくないのはっきりと言えませんが、今後の不透明さによるポンド下落が目下のイギリスにおけるEU離脱のデメリットで、次に実際EU離脱のプロセスをたどったとき今まで金融の中心地だったイギリスがEUから外れてしまうと機能が低下、それが経済に与える影響が大きく景気が大きく傾く恐れがあること、EU圏内での移動や経済活動の自由が制限されること、関税の復活など経済活動が低下することがみんなが重視していた本当のデメリットなのでしょう。

実際にJ.P.モルガンなど、EU離脱派の勝利を聞き「ロンドンの人員を減らし、EU加盟国のどこかに移す可能性がある」と発表しました。ロンドンは金融街のCityを中心にした金融系で働く人が多い街。EU加盟国でなくなると業務にも支障をきたすのでロンドンから加盟国内に異動を言い渡され、引越しを余儀なくされる人たちも多くなるはずです。ロンドンで残留派を支持している人たちが多い理由とロンドンに金融系に従事する人口が多いことと少なからず関係がありそうです。

そもそもEUとイギリスの関係は?
EUの成り立ちやEUについてはウィキペディアで調べて欲しいのですが、どうも戦争の絶えないヨーロッパにおいて平和と秩序を保つことを目的に、政治・経済・安全保障上で協力し枠組みを決め、現在28ヶ国が加盟中とのことです。私自身、EUについてそこまでくらいしか知識がありませんでしたが、どうやらEUは思った以上に複雑な体系で、加盟国に様々なことを課しているみたいです。それによってイギリスも恩恵を受けていましたが、今回離脱派が勝利したのは以下のデメリットが大きな問題であると多くの人が判断した結果かもしれません。

1 EU法の優位性
EU法とはEU内で執行される独自の法体系で欧州委員会が法案作成や調整を独占的に行います。このEU法が加盟国の国内法よりも優先された判決が欧州司法裁判所によって下されることがあったみたいです。ということはイギリス国内の法律よりもEU法の方が重いということになります。これによってイギリス国内の小売業がかなり苦しい状況になっていると聞いたことがあります。
そのEU法ですが「商品の移動」「労働者の移動」「資本の移動」「開業の自由」という4つの自由があります。EU国内で人々が自由に行き来できるのは「労働者の移動」によって定められたもので、イギリス人の多くもEU圏内のほかの国に移動している反面、イギリスへ流入してくる移民の数も他国の経済悪化に伴い増え続ける一方です。しかしそれに対してイギリスに拒否権がないというのがこのEU法の所以です。

2 EU内での力が偏っている
EUには大きく5つの機関があるみたいでこの機関のうちいくつかが特定の国に有利に働いている現状らしく、EU加盟国内での不平等を離脱派のジョン・ボリス氏など以前から問題視してみたいです。(日本語での詳しい説明は以下の田上嘉一さんの記事を参考にしてください。(当のジョン・ボリスさんはさっさと表舞台から去りましたが。そんな感じの人ですので驚きもしません。)

実はEU残留派だったデビット・キャメロン首相もこうしたEU加盟におけるイギリスの現状について問題視していたらしく、2015年12月にEU大統領に問題点へのEU側からの歩み寄りが無い場合はEU離脱の動きを見せるとニュース記事にありました。実際本当に国民投票で離脱になるとは当時は思ってなかったでしょうが(笑)


このように、EU加盟によってイギリスは経済的に大きな恩恵を受けているのは確かなのですが、移民問題以外にもEU加盟によることでイギリスにとって不都合なことや足枷が増えていたというのもあまり明らかになっていませんでしたが現状だったみたいです。ですからEU離脱か残留かというのは、どちらかが絶対的に正しいという判断では決められない問題だったように思います。正直色々調べてみると、確かにEU離脱によって今後経済的に混迷するような事態になるでしょうが、ではこのままEUの言いなりで残留していてもこの国は今のような状態は維持できないのも明らかです。どちらの決断でも痛みや切り捨てるものがある結果だったような気がします。そのような中で「離脱」を選んだだけです。これからイギリスは色々な意味でも変化せざる得ず、混沌や低迷の中で苦しむのかもしれません。だけど何となくですが、イギリスってもともとそういう国のような気がします。長い歴史の中、良い時代と悪い時代を繰り返しながら、何かを得たり切り捨てたりして国の歴史や文化を維持してきた、良くも悪くも「しぶとい(しなやか?)」国なんじゃないかと思ってます。

日本のニュースやブログ記事で「イギリスでEU離脱派が勝利したのは考えの浅い一般大衆の『ポピュラリズム』的な動きによるもので、間違った判断だ。」と断言している人がいました。それは半分本当ですが、断言できるほどの確実はものではないはずです。だからこういう記事を書く人たちは実際のイギリスの状況を把握していない人たちが経済的な面だけを見て判断した、所謂EU残留派のプロパガンダに乗せられただけじゃないかと逆に思ってしまいます(笑)こちらのマスメディアも多くが政治的にはっきりとした意図をもってニュース・記事を発信していましたから(私もそれに乗せられてた一人です)。

日本も最近選挙がありましたし、都知事選も近々あるのでしょうか。何かを判断し、決めるということはとても難しいことです。特に流されやすい人となると声の大きな人や周りの言ってるモノに左右されますし。今回のイギリスの国民投票で私自身が感じたのは、周りに左右されることなく自分の頭で考え判断し決断できることの大切さ。そして子供にもそれができる子になって欲しいなと思いました。










スポンサーリンク

ブログ 3924331721503601607

コメントを投稿

emo-but-icon

ホーム item